新テーマ「新しい居留地物語へ」を掲げた「2024長崎居留地まつり」開催レポート

令和6年(2024)9月14日(土)から16日(月・祝)にかけて、長崎居留地エリア一帯で、今年も「長崎居留地まつり」が開催されました!昨年は天気に祟られて大幅な変更を迫られましたが、今年は3日間とも快晴の猛暑日!来年の30周年に向けて、長崎居留地歴史まちづくりグランドデザインの将来像「新しい居留地物語」を居留地まつりのテーマに掲げ、熱く駆け抜けた今年の長崎居留地まつりを振り返ります。

グラバー顕彰式

グラバー園内の旧グラバー住宅前では、毎年恒例となっている長崎で活躍した外国人商人であるグラバー、リンガー、オルトの功績を顕彰する式典が行われました。グラバー園開園50周年を記念して、長崎市長をはじめ多くの来賓が招かれました。

グラバー顕彰パレード

グラバー顕彰式が終わると、バグパイプ隊が旧グラバー住宅を出発し、グラバー園内を抜けて大浦天主堂までパレード。美しいバグパイプの音色が居留地エリアに響き渡りました。最高の見せ場は大浦天主堂前での「バルーンリリース」です。トリコロールの風船が宙に舞い、今年の長崎居留地まつりのスタートを知らせます。

まちビンゴ

こちらも毎年恒例となっているエリア回遊企画の「まちビンゴ」。あらかじめ設定された24ヶ所あるビンゴスポットを巡り、掲示してある暗号を集めてビンゴの成立を楽しむゲーム。1番から24番までコンプリートしたら、1から順に暗号を読んでいくと今年を表す秘密の言葉が出てくる仕組みになっています。今年は「グラバー園開園50周年おめでとう」でした!たくさんの子供たちがチャレンジしてくれました。

まちづくりシンポジウム

こちらも毎年恒例の「まちづくりシンポジウム」です。居留地まつりでは、楽しいイベントだけでなく「まちづくり」についてもしっかり考えるということが特徴です。旧香港上海銀行長崎支店記念館では、今年のテーマ「新しい居留地物語」に基づき、活水女子大学、長崎大学、海星高校の学生さんが参加して、日頃の活動報告や居留地の魅力について考えるパネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションでは、事前に学生さんに居留地エリアを散策してもらい、興味が湧いた「ひと」、「もの」、「こと」をスマホで写真撮影してもらった画像をネタに、学生目線で居留地エリアの魅力が掘り下げられていて非常に面白かったです。

グラバー坂かけあがり大会

大浦天主堂に続くグラバー坂を子供から大人まで全力で疾走する恒例のイベント。コロナ禍や天候不良が続き、なんと5年ぶりの開催!数十名の方が参加され大いに盛り上がりました!

ゼロカーボン(脱炭素先行地域)ブース

令和5年(2023)11月、長崎居留地エリアは、国が進める「脱炭素先行地域」に選定されました。令和12年(2030)に向けて省エネ家電・省エネ電力の普及や、サステナブルツーリズムの推進などの取り組みが行われています。こうした取り組みを周知するためにブースが設置され、電気自動車からの給電の実演やノベルティの配布などが行われました。

ウォーカブル居留地

15日(日)のみ、商店が並ぶオランダ通りを歩行者天国にして、長崎街道ラリー運営事務局によるクラシックカーモーターショーや地元関係者などによるテント、キッチンカーの出店が実施されました。これまで行われてきた「居留地大バザール」を、国が進める「ウォーカブルなまちづくり」を見据えてアップデート中です。

まちかどパフォーマンス

オランダ通りでは「ウォーカブル居留地」を演出するため、まちかどで生演奏パフォーマンスが行われました。洋風の町並みで奏でられるアコーディオンやトランペットにより、まるでヨーロッパの旧市街ストリートのような雰囲気に。手を叩く人、歌う人、踊り出す人など反応は様々で非日常の豊かな道路空間が生まれました。

V・ファーレン長崎まちなかパブリックビューイング

グラバー園内伝統芸能館では、株式会社ゼンリンによるサッカーJ2リーグ「V・ファーレン長崎vs相手はいわきFC」のパブリックビューイングが開催されました。会場には高木琢也さん(V・ファーレン長崎取締役兼CRO)やヴィヴィくんが登場するなどして大盛り上がり!試合も2-0で勝利し、会場に集まったサポーター120名が歓喜しました。

居留地ロケ地フォト

東山手十二番館では、今年のテーマ「新しい居留地物語」に因んで、長崎商業高校の学生さんが長崎が舞台の月9ドラマ「君が心をくれるから」(2024年1月〜3月放送)の世界観を体験できる新企画にチャレンジ!オランダ坂で撮影されたドラマのワンシーンを再現して写真撮影を楽しむことができました。

マイネームプリーズ

東山手十二番館の室内では、長崎に居住している外国人の方に協力いただいて、自分の名前の外国語表記を書いてもらえる企画が開催されていました。

居留地ゲーム体験

東山手十二番館の庭では、ペタンクやモルック、アヒル釣りなどの海外由来の遊び体験のコーナーがあり、老若男女が白熱していました。十二番館の庭を使った企画は最近では珍しかったですが、グランドデザインにも活用について書かれているとおり、活用の可能性が感じられました。

長崎刺繍の煌めき

東山手洋風住宅群(A棟)では、長崎くんちでお馴染みの長崎伝統「長崎刺繍」の実演や展示が行われていました。長崎刺繍の第一人者である嘉勢照太さんもいらっしゃいました。

わくわく☆竹細工あそび体験

東山手地区町並み保存センターの前では、竹で作られた水鉄砲や知恵の輪などの昔ながらのおもちゃがずらり。子供たちには特に竹鉄砲が人気でした。実際にやってみると結構難しいのですが、東山手地区町並み保存会の高口会長は百発百中でした。

昭和にタイムスリップ!?古民具と一緒にレトロ写真を撮ろう!

東山手地区町並み保存センター1階では、センターで保存している昭和に活躍した炊事道具や生活用品などの古民具の展示が行われていました。もんぺや羽織は実際に着用して写真を撮影することもできました。

ステンドグラス作品展示・ステンドグラスキーホルダー販売

東山手地区町並み保存センター2階では、居留地によく似合うステンドグラスの作品やキーホルダーの販売会が行われていました。

居留地アーカイブ

大浦地区ふれあいセンター1階では、これまでの居留地まつりの資料展示や動画放映が行われていました。室内は解放され、エアコンが効いた休憩所としての役割も果たしていました。

居留地モーニングヨガ

グラバー園内の旧リンガー住宅前の緑地では、早朝からヨガ体験会が行われ、多くの女性が爽やかな朝ヨガを楽しんでいました。歴史的建造物や港の絶景を拝みながらのヨガは格別のようでした。

フリスビーストラックアウト

南山手レストハウスの前庭では、長崎県フライングディスク協会とのコラボ企画でフリスビーのストラックアウト体験が行われていました。洋館や大浦を望む絶景のなか、参加者はパーフェクト目指して白熱していました。

洋館とステンドグラスをつくろう!

南山手レストハウスの室内では、長崎の洋館やステンドグラスをモチーフにしたレターカードなどを作成するワークショップが開催されていました。

フリーマーケット・ワークショップ(クレイフラワー、レジン)

南山手地区町並み保存センターでは、フリーマーケットやクレイフラワーのワークショップ、レジンのワークショップ、ビーズボールペン作りが開催されました。

世界の酒まつり

石橋電停そばのネオ観光案内所「HUBs Ishibashi」では、居留地らしく世界のビールやラム酒を楽しむことのできるイベントが開催されていました。夜にはスタッフの懇親会場も兼ねて、たくさんの人で賑わっていました。

居留地交流会

居留地まつりのスタッフや出展者、居留地エリアのまちづくりに関わる方などが一同に集まり、気軽に交流する会が初めて開催されました。約30名の参加があり、「明治夜宴」開催中の夜のグラバー園を堪能していました。

居留地合唱祭

景観重要建造物の日本基督教団長崎教会にて、毎年恒例の合唱祭が開催されました。海星中学高校合唱部、サロンの仲間たち長崎居留地男声合唱団、長崎居留地女声合唱団オルテンシア、原さとみ、嶺芳絵、桐原瑞葵、青栁智子が出演し、素晴らしい歌声が居留地に響き渡りました。

大抽選会

居留地まつりのフィナーレを締めくくるのが大人気の大抽選会!今年もホテルペア宿泊券やペアランチ券など協賛各社からの豪華な賞品が並びました。

おまけ

毎年、当たり前のように開催されている長崎居留地まつりですが、その陰ではたくさんのスタッフの方が携わってくれています。6月から隔週で会議を重ねてイベントを計画し、9月に入ると旗立てや運営の本格的な準備、まつり当日は早朝から本部の立ち上げや会場設営、そして撤収までを行います。特に今年は三日間とも猛暑日で大変なご苦労だったかと思います。スタッフの皆さんに心より感謝いたします!来年の30周年に大いに期待したいと思います!